洗濯物よ永遠に、、
パリは乾いた街である。つまり空気が日本よりずっと乾燥している。乾燥しすぎていて、夜など喉が
カラカラになって辛いほどである。そこでAが考え付いたのが、洗ったTシャツなどを部屋にブラさげ
ておく、というものである。こうするとやっと湿度が我々、日本、湿気多い国から来た民族にはちょう
ど良い位になるようである。こんなに乾いているから、例えば手を拭くためのタオルを洗面所とかに
ブラさげておくと日本では一日も置くと湿って気持ち悪くなり、換えざるをえなくなる訳ですが、ここで
は汚れなければ、何日同じものをつるしておいても、湿ってきたから換える、という必要はなく、つま
り手を拭いてから次に手を拭くまでに前に手を拭いた分の水分はほぼ、蒸発してしまうらしいのであ
る。ここに来てからトイレのノブにかけてあったタオルもぜんぜん湿ってこず、何日かは同じものを使
っていて日本でのように気持ち悪くなるようなことはなかった。
だから洗濯物は外に干さなくてもよく乾くのだが、もちろん外に干している人もいる。しかし日本と違
って雨が降ってきたらサササッと洗濯物を取り込む、というような考え方はこの国の人は持っていない
ようである。事実うちの上の人は一週間バスタオルを乾したままであったし、前方右窓の人も4日間洗
濯物を出したままであった。気が向いたときに乾して、気が向いたときにたまたま乾いていれば取り込
むという感じの人がほとんどのようである。それでもやはり濡れるのは嫌な人もいるらしく洗濯物を乾す
ハンガーというか、、の上にビニールのゴミ袋をかぶせた物をつくっている人もいる。そんな事をするん
なら家の中に乾したら雨にも濡れなくてよいと思うのだが、まそういうものでもない人もいるのだろう。